身よりのない人、ホームレス・野宿の人
行き場のない人たちが迎える最期

誰にも看取られず、ひっそりとブルーテントで死んでいくのか・・・。
病院にかかることもできず、体調異常が慢性化して、痛みに対する違和感すらなくなって
いつのまにか、肉体が朽ちていく。

ホスピスという名の施設も、この人たちにはきっと敷居が高い・・・

でも。。。

マザーテレサの「死を待つ人の家」が日本にもあります。

きぼうのいえ 

ドヤ街、山谷に

山本雅基さんと奥さんの恵美さんが二人で作りました。

山本雅基さんは、大学の神学部を卒業して、難病の子どもとその親を支える団体で、事務長として第一線で遮二無二働いていましたが、
上司でもある医師の権力志向(「俺の言うことを聞いてればいいんだ、俺より前に出るな」)に疑問を抱き、苦しむ。

道に悩むがゆえに苦しみ、自分は何に向かおうとしているのか、悩む。
酒をあびる。うつになる。悩みもがいた末に、誰も考えていなかった、路上で生きる人達など1人ぽっちで行き場のない人達のために
ホスピスをつくることを決意。

土地探しの傍らにはホスピスの講座に出かけ、ボランティアを探していたところ、奥さんとなる美恵さんに出会った。


「この人だ!」

新婚旅行は山谷。

借金に駆けずり回って、また、修道会などからの奇跡的な資金援助があって2002年11月、きぼうのいえを設立。

朝から夜中まで、いや24時間二人でやりくりするが、あまりの多忙に疲労困憊で死ぬかもしれないところをボランティアが集まってくれた。

でも赤字の日々。。「『むぼうのいえ』なんてひやかされたこともあった」という。

入居者のほとんどは生活保護受給者。路上生活者で末期ガンなど余命の少ない人、身寄りのない人、認知症や総合失調症の人など。
生活保護の一部から、家賃と食費、共益費を支払う。

入居者の負担と賛同者からの支援、寄付などのやりくりでなんとか運営されているが、毎年、毎月、いや毎日赤字続き


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山谷は、戦後のドヤ街。日雇い労働者であふれた街。

東京タワーの建設現場で働いた人。高度経済成長を底から支えてきた人たち。
今はもうすっかり年老いて、身寄りのないまま路上で死を迎えようとする。
一泊1000円からの簡易宿舎
2畳一間でだれに看取られることのないまま死んでいく人がいる。

自己卑下をする人が多い
社会を恨んで、不甲斐ない自分を恨んで死んでいく。

そこに一条の光明が・・・・・・・・

中には元議員秘書、元会社社長も・・・
人生のあらゆる縮図をもった人たちが、きぼうのいえで、終末を過ごす。


きぼうのいえ看護主任〜***
山本美恵さん 運命の出会い

中学時代にいじめに遭い 自分を自己否定するようになる
看護師の道へ
そのころの自身を以下のように回想する

「そのころの私は、人が目の前で死んでいくことよりも
自分が仕事をよりよく覚えることに喜びを感じる、とんでもない自分でした・・・・・・・」

21歳の時恋に落ちる。ところが相手には妻子がいた。
転職 「過労死で死んでしまえばいい」 と昼夜働く

そんな矢先の男性の突然の事故死

自分も死のうとしたが、両親のことを考えて踏みとどまる

もう、息だけして生きていればいい、、、そんな気持ちで生きていた
そのうち時間がたって、また生きていけるようになればいい

ある時、いつも通る道端で
ホームレスに出会う いままで見過ごしてきた。
思い切ってホカロンを渡す 「ありがとう」と受け取ってくれた
その時、初めて自分を認めてもらえた気がした

今まで「自分なんか死ねばいい」 と思ってずっと生きてきた
それがホカロンを渡せた時、なんかねそれができた自分が初めて自分が好きに感じられた・・

2か月後、山本雅基さんと出会う
雅基さんはそのころ、うつ病を患い療養中2か月のこと
身よりのない山谷のひとたちの惨状を感じ、ホスピスの構想をもっていた。

ボランティア講座で美恵さんと出逢う。「この人だ。この人が僕が探し求めていた人だ!」


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美恵さんのことば〜

これまであまりにも過酷な人生を歩んできた人たち
簡単に よりそおうなんてことはできない

かたくなまでに自己卑下の人たち

ある時、彼の方から手助けを求めてくる。
その時自然にさりげなく・・・・・・・・



どうぞきぼうのいえのHPhttp://www.kibounoie.info/ 
そして 山本雅基さんのご著書を読んでみてください。

人間って 苦しんだ分だけいや苦しんだ以上に愛といつくしみを出し合って生きていける


ご著書
「山谷でホスピスやってます」
「山谷でホスピス始めました」

きぼうのいえ
〒111−0022 東京都台東区清川2丁目29番12号
電話:03-3875-7523 Fax:03-3875-7525
E-Mail:kibounoie777@mbm.nifty.com
ホームページ:http://www.kibounoie.info/


ご著書を読むと、

進路に迷っている学生さん
就職・仕事に悩んでいる若い人、中高年の人
人間関係に病んでいる人
やりたい事や希望がぼやけて、はっきりしない人
熱くなったり、真剣に考えようという気力もいまいちな人
どんな状態の自分でも、生きる、生きようかなのヒントというか湧くちからを得ます!ぜひとも


ご著書を手に入れるまでに
産経ニュースでは、山本雅基さんのきぼうのいえ設立までの修羅場と歓喜
きぼうのいえでの日々の修羅場と歓喜のようすがコンパクトにまとめられています。
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080323/trd0803231027002-n1.htm


〜きぼうのいえ便り〜 メルマガです (半年待ってやっと来た〜喜^^)


 【このところ 〜山本雅基〜】

 このところ、私(山本)が、講演の場でいただくご意見などを紹介して、読者の皆さまと分かち合いたい。

 いつも必ず出る質問で、それも控えめに申し訳なさそうな表情でなされるのが、きぼうのいえの会計状態のご質問である。

 それで、先ごろ会員の方からいただいたメールを例に挙げてお話することにした。

 「きぼうのいえでは毎月10万円の赤字が出るそうで経営も大変ですね。私たちの力は微力ですが、ささやかながらご協力させて
 いただきます」とメールには書いてあった。

 私はそれを呼んで「はてな?」と思った。そこで会計を担当している二村さんのデスクに行って尋ねた。
 「ここに毎月10万円って書いてあるけれど、これって違うよね。もっとあったと思うけど」と訊くと、二村会計員はニッコリ嬉しそうに応えた。
 「そうでーす。違いますよね、これ。だってきぼうのいえは毎日10万円の赤字ですもん」という。

 私は二度ならず三度までも、自分の始めてしまった行為のアンビリーバブル(信じられなさ)にあぜんとしてしまった。
 これでは「きぼうのいえ」が「むぼうのいえ」と呼ばれても、当然だ。
 しかし、それにも増して、年間3千5百万円以上の赤字が、ご寄付と会費という善意の結晶によって、続けられているのである。


 私たちは、ともするとそれが経営として成り立つか否か、あるいは別の事例でいえば資格があるとかないとか、
 といったことの前段の可能性をそろばんずくで計算してから、実行、不実行を決めていることに慣れている。

 それが資本主義だといえばそれまでなのだが、本当にそれでよいものなのだろうか。
 私たちは収支が見合うからするのではなく、必要としている人が命の瀬戸際で苦しんでいるから取り組んでいるのではないかと思う。

 それは、資本主義の論理ではなく、理不尽にさらされようとする、いのちの尊厳を守るための挑戦なのである。
 そして、その実行は、恐怖心に怯えながらのものではなく、そう望めば叶うという決意と覚悟に裏打ちされたものなのだ。
 恐怖は恐怖心を誘因し、増強させるだけである。

 それよりも、覚悟に導かれた前進こそが、わたしたちの働きの原動力であることを知る必要性がある。
 「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。
 この方こそメシアである」(ルカ2:10〜11)

 恐れではなく喜びのうちに! ハレルヤ!

 きぼうのいえ施設長 山本雅基



【お知らせ】

◎ NHK プロフェッショナル・仕事の流儀
 「山谷の街で、命によりそう 〜 ホスピス看護主任・山本美恵 〜」
 12月13日(月) PM10:00〜10:48 NHK総合 オンエアー
 http://www.nhk.or.jp/professional/index.html

◎ 信濃毎日新聞 第15回信毎選賞 受賞 山本美恵
 http://www.kibounoie.info/data/simbun/20101110shinanomie.pdf

◎ きぼうのいえ施設長 山本雅基 講演会情報
 http://www.kibounoie.info/yamamoto_masaki.html

◎ きぼうのいえの日々をお伝えするスタッフ日記 ぼちぼち更新中
 http://kibounoie.cocolog-nifty.com

◎ きぼうのいえが出演しています、千葉茂樹監督の新作ドキュメンタリー映画
 「マザーテレサと生きる」DVD 12月中旬発売 お問い合わせ先:女子パウロ会
 http://pauline.or.jp/

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 【きぼうのいえ納骨式 〜山本美恵〜】

 『きぼうのいえ』では毎年11月に納骨式を行います。

 今年も11月4日、長野県伊那市にある『きぼうのいえ』のお墓に11名のお骨を納めてきました。

 『きぼうのいえ』では、名前を書いた小さな骨壷にその方の喉仏と少しの体の骨を移して納骨し、残りの骨はスタッフが細かく砕いて
 納骨の際に一緒にお墓の土にかえします。毎年納骨の前日になると礼拝堂にスタッフが集まり、一人ひとりの思い出を語りながら、
 皆で心をこめて骨をサラサラの粉に細かくします。

 お墓でさらさらになった骨を土と混ぜるとき「ああ、こうしてみんな地球にかえっていくんだなあ」と、思わず大きな感動で喜びの涙が
 あふれました。

 今年もお天気に恵まれて、日本聖公会の司祭・信者、プロテスタントの牧師・信者、浄土宗の僧侶、カトリック信者、無宗教の面々が
 揃って、この1年間に天国へ旅立った仲間のために祈りを共にしました。


 きぼうのいえ 看護主任(女将) 山本美恵



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 【きぼうのいえの霊性の試み 〜山本雅基〜】

 きぼうのいえでは、8年前の発足後ほどなく「アッシジのフランシスコの平和を求める祈り」をことあるごとに祈るようになりました。

 それから数年を経て、きぼうのいえのスタッフ兼浄土宗僧侶の山田義浩さんが「きぼうのいえ お施餓鬼表百(おせがきひょうびゃく)は
 どういう意図をもってここに集っているかを述べたもの」を作ってくださり、毎年のお盆の時期に皆で唱えるようになりました。

 礼拝堂をお守りくださる天のかみさま
 山谷の町をお守りくださるほとけさま
 どうかわたしたちの願いを おききください
 きぼうのいえに住むわたしたち
 そしてすべてのひとたちの 命をくれたご先祖さま
 きぼうのいえ そしてこの地上から 天国に向かった多くのなかまたち
 また 山谷のまちにおいて さらにこの世界のあらゆるところで
 お腹をすかせて苦しむ人たち
 お腹をすかせて亡くなってしまった人たち
 欲張りな人 欲張りなまま 亡くなった人
 不幸な人 不幸なまま 亡くなった人
 怒っている人 怒ったまま 亡くなった人
 悲しんでいる人 悲しんだまま 亡くなった人
 すべてのいのちが どうか
 やすらかに生き続けられますように
 共に真実に目覚めることができますように……

 そして、今年の夏からは、毎朝「きぼうのいえ」聖家族礼拝堂で祈りが捧げられるようになり、
 さらに山田僧侶に月一度福井県のお寺  より来訪して頂いて施餓鬼供養を行っています。

 次のようなものです。

 きぼうのいえ常施餓鬼(じょうせがき)祈りのことば。

 礼拝堂ときぼうのいえをお守りくださる天のかみさま。
 山谷の町をお守りくださる土地のかみさま。
 餓鬼の苦しみを救ってくださる仏さま。

 今、わたくしたちは、この食べ物、飲み物を、
 餓えの苦しみ、心の苦しみ、体の苦しみ、命の苦しみ、業(ごう)の苦しみの為に
 きぼうのいえに集まる、そして、きぼうのいえに集まる事のできない
 さまざまな、魂たちのために、お供えさせて頂きます。

 願わくば、私たちの、小さいながらも、祈りの力、
 神さま、仏さま方の、大いなる、いつくしみの、お力により、
 この食べ物、飲み物が、数限りなく増えて、
 多くの、迷える魂たちを癒すことができますように。
 さらに願わくば、このお施餓鬼の功徳(くどく)により、魂たちが、すべからく、
 天の世界に召されますことを。
 謹んでお願い申し上げます。

 祈りの形を超えて、この願いが、聖なる、あなたさま方に届きますように。
 
 いかがでしょうか。アッシジの聖フランシスコの祈りのことば仏教の味わいが混じり、東洋人にも祈りやすくなったとはいえないでしょうか。

 その祈りに次いで、般若心経が流され、カトリックのシスターや牧師により詩編が随時唱和されて沈黙のうちに祈りが閉じられるという
 試みが行われています。

 いたずらに祈りの形を混濁させることは勿論つつしまなければなりませんが、東西の霊性の交流が、一定の時間を経て、新しい祈りの
 形を作り出していくという試みには、生きた祈りを常に生きていくという生き方としてたいせつなことでしょう。

 わたしたち「きぼうのいえ」で生きるスタッフは、生と死について思いをいたす立場として、自分たちの祈りを大切に育てていきたいと
 日々思っています。


 きぼうのいえ施設長 山本雅基

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【ヨゼフ・ピタウ大司教、きぼうのいえでミサ 〜山本雅基〜】

 ヨセフ・ピタウ大司教が11月26日(金)に第3回目のきぼうのいえ訪問を果たされ、
 死者のための御ミサを執り行われました。

 以前の2回の訪問と同様に、「キリスト教の中心は弱い立場の人のために尽くすこと。それを失っては、イエス・キリストの十字架も
 意味を持たなくなってしまいます。」というピタウ大司教が一貫しておっしゃっていることを、参列者に再び説教なさいました。

 ピタウ大司教のきぼうのいえ訪問の契機は今年4月24日の朝日新聞「Be フロントランナー」に
 きぼうのいえの山本雅基施設長、山本美恵看護主任が紹介されたことにはじまります。

 上智大学神学部のOBである施設長の存在を知ったピタウ大司教は、卒業生が社会の真っただ中で懸命に頑張っているのなら、
 そこに入居している人も、働いている人にも是非エールを贈りたいということになったとのことでした。

 初回から元気そのもので表敬訪問された大司教ですが、実は視力がもうずいぶんと弱くなられてミサ典書も拡大して見ておられるとの
 ことでした。しかし、私たちとの対面では、ひとりひとりに祝福をお与えくださり、御ミサ中も、
 「このように私の眼が見えなくなっていることも神さまからの恵みです」 としっかりとした口調で決然とおしゃられ、
 その後の皆との記念撮影も明るく積極的にこなされました。

 初回のご訪問では、私(山本)の手をしっかりと強く握られ、「あなたがたのように、弱い立場の人に奉仕することに対し、
 カトリック教会の名において深く感謝します!」と繰り返し言ってくださいました。

 3回目の11月26日(金)の御ミサでは、待者を私とスタッフの下条知加子氏が参加して行われ、御ミサ直後には、本会の元スタッフで
 浄土宗僧侶の山田義浩師による施餓鬼供養が行われ、大司教も参列者とともに合掌して、山谷近隣で非業の死を遂げた多くの魂の
 鎮魂のために祈りが捧げられました。

 私たちはこれからも、祈りの形を超越した、人間の宗教性の追究に、マザーテレサの姿を模範とし、進んでいきたいと思います。


 きぼうのいえ施設長 山本雅基



★:*:☆・∴・∴・∴・∴・∴‥∴‥∵‥∴‥‥∵∴・∴・∴・∴・☆:*:★★:*:☆・∴・∴・∴・∴・∴‥∴‥∵‥∴‥‥∵∴・∴・∴・∴・☆:*:★


【隅田川花火大会 〜石山 敏〜】

 毎年恒例の隅田川花火大会の日、きぼうのいえの屋上には入居者さんとスタッフ、外部の支援者たちが集い、この日ばかりは、
 お酒がダメなひとにもビールが配られ、宴が催される。

 「どーん、どーん」

 と、隅田川の花火の轟音が山谷の街に鳴り響いた。しかし、様子がどこか変だ。

 昨年まで花火が打ち上がっていた空には大きくそびえ立つ巨大なコンクリートの壁が、、、最近できた特別養護老人ホームのビルだ。

 「どーん、どーん」

 と、音が鳴り響く度に花火の頭だけが、コンクリートの壁の上からちょこんと、私たちにこんにちはと挨拶する。

 しかし、ここはさすがつわもののきぼうのいえ。こんなこともあろうと、事前に100インチのスクリーンとプロジェクトを屋上に用意し、
 テレビ東京の生中継の映像を映し出す。

 音は本物、花火はスクリーン、解説はテレビの妙な花火大会のはじまりであった。

 本物には叶わないけれども、きぼうのいえらしい

 しかし、きぼうのいえの住人は素直だ、今年は花火が見えないと分かると屋上に出て来た人は数人だけ。
 スタッフも見えないならと参加した人は少ない。

 でも、きぼうのいえでは強制しない、これもきぼうのいえである。

 きぼうのいえ スタッフ 石山 敏



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 【カナダ大使きぼうのいえ訪問 〜石山 敏〜】

 きぼうのいえの玄関にでーんと横付けされたリンカーン。どでかいリムジンだ。

 よくぞ狭い山谷の路地を曲がってきたものだ、運転手さんの腕はすごい。

 この日からさかのぼること、2ヶ月前、大使館の方がきぼうのいえを訪れ、打ち合わせがあった。

 「カナダ大使がぜひきぼうのいえを訪ねたいと仰るのですが、できればクリスマス会として、入居者さんにカナダ大使館で焼いた手作り のジンジャークッキーを振る舞いたいと思うのです、いかがでしょうか」

 他にもいろいろアイディアで出た。

 バザーの品、歌と踊り、漫才、、、

 大使館の人が、

 「大使はリンカーンで来られるかも、、でも、大丈夫でしょうか」

 私たちはピーンと反応する。それまで出たどのアイディアよりも素早く反応した。

 「面白いッ、山谷の街にリンカーンがやって来たことはない。大使にリンカーンで来て頂いて車の前でみんなで記念撮影だ。
 入居者さんも喜ぶ」

 しかし、当日、リンカーンの前で写真を撮ったのは、入居者さんをさて置き、誰よりも喜ぶスタッフたちだけであった。

 入居者さんたちのことはすっかり忘れている、、、うーむ、これもきぼうのいえらしい

 
 きぼうのいえ スタッフ 石山 敏



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